多くの方が、できれば老後は自宅で過ごしたいと思っているのではないかと思います。
子供や孫たちに囲まれて在宅介護を受け、住み慣れた家を「終のすみか」とできるのなら、本当に幸せだと思います。
けれども、周囲とのネットワークがなければ、在宅介護をうまく乗り切ることは難しいかもしれません。
つまり、以下のような問題点が考えられるからです。
* 面倒をみる家族は、肉体的、精神的に疲れる
* 家族が仕事についていると、介護にあてる時間が限られる
* ヘルパーの質、相性の問題もある
* いつまで続くか分からない介護に耐えられるか
* 家族がこれ以上介護を続けられなくなったら、本人の意思に反して施設に入らなくてはならなくなることもある(ここで問題になるのは、公的な特養ホームに入りたいと思っても、待機者が多くすぐに入れない可能性が高いということです)
中には元気なうちから有料老人ホームに入居することを決めている方もいらっしゃいます。
有料老人ホームは、自立して生活できる人が将来のために入るのか、介護が必要な人が入るのかによって選び方が変わってくるようです。
今、私は介護について勉強をしているところですので、主人と一緒に有料老人ホームの見学に行ってきました。
その施設は自立して生活できる方が将来のために選ぶタイプのもので、かなりグレードの高い老人ホームです。
シアター、図書室、レストラン、喫茶室、ビリヤード場、卓球場、茶室、陶芸室をはじめ、さまざまな共用施設が充実しており、サークル活動も活発に行われています。 病院が併設されており、年に二回の健康診断も行われます。 とにかく、すべてにおいて至れり尽くせりという感じで、ウン千万という入居一時金も、これなら仕方ないのかな~と思えてきます。
私が一番印象深かったのは、併設されている病院の入院部屋が、一般の病院とは全く違って、ここで亡くなる人がいるとは想像できないくらい、清潔で温かな雰囲気だったことです。 老人ホームはともかく、入院するならこんなところで過ごしたいと思いました。
見学しているときは圧倒されっぱなしで、お金に余裕があれば私も将来入りたいな~と思ったのですが、時間がたって落ち着いて考えてみると、本当にこれだけのお金を払う価値があるものなのかどうかという気持ちになってきます。
有料老人ホームで行われる介護は、介護保険でまかなえる範囲で想定されています。 したがって、ホームで予定されているサービス以上のことをしてもらうとなると(入浴回数を増やすなど)、最初に説明を受けた月額利用料を大幅に上回る可能性もあります。
そんなことを考えると、これからコツコツお金を貯めていっても、私には手の届かないところの話だなと、ため息が出てしまいます。
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