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 マレーシアは多民族国家ですが、憲法上、イスラム教を国教としています。
 信仰の自由が保障されていますが、マレー人のほとんどがイスラム教徒です。
 都会的で日々進化するクアラルンプールの街のあちこちにも、モスク(イスラム寺院)がひっそりとただずんでおり、何とも不思議な感じがします。
 中でも、国立モスクは観光客がよく訪れる場所です。1965年に建てられたこのモスクは、高さ73メートルの光塔がそびえ立ち、東南アジアでも最大規模の建物です。
 観光客は無料で入ることができますが、肌の露出した服装は禁止されています。
 ですから、女性にはトゥドゥン(スカーフ)と上着を貸してくれます。
 イスラム教の重要行事はここで行われるそうで、中の礼拝堂にはイスラム教徒しか入ることができません。
 イスラム教の人々は、一日に5回お祈りをします。また毎週金曜日の午後には、男性は仕事を抜けてモスクに行き、お祈りをするのだそうです。
 そのほかにも豚肉とお酒は口にしてはいけないなど、日本人からすると大変厳しい信仰のように感じられます。
 ところが、街をゆくマレー人の女性の中には、ジーンズにTシャツでトゥドゥンを身につけていない人もいます。ローカルの若い女性に、「一日に5回、いつでもお祈りをしているの?」と聞いたことがあるのですが、「たまにしないときもある!」とあどけない返事が返ってきました。
 どうやら個人の信仰の深さや宗派によっても変わるようです。
 それでもイスラムの教えは人々の心にしっかりと根付いており、「年をとったら、孫の成長を見ながら毎日お祈りをするのが夢!一生に一度はメッカにも行ってみたい。」と語れるマレーの人たちが、少しうらやましく感じます。
 
 
 国立モスクの礼拝堂です。
 イスラム教徒以外は中に入ることができませんが、写真を撮ることはOKだそうです。
 近代的で美しいモスクです。
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